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育休復帰後に必要な社会保険手続きガイド~月額変更届と養育期間特例、申請忘れに要注意~

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育休復帰後に必要な社会保険手続きガイド~月額変更届と養育期間特例、申請忘れに要注意~

みなさん、こんにちは!
HRマネジメント編集部です。

今回のテーマは、月変・養育期間特例についてです!

従業員が育児休業から復帰すると、給与体系や勤務時間が育休前と変わることが少なくありません。
時短勤務への切り替えや残業の減少などにより報酬額が下がった場合、それに合わせて社会保険料の見直しや将来の年金額を守るための手続きが必要になります。

これらの手続きは会社側が把握していないと申請漏れが起こりやすく、後になって従業員から「なぜ教えてくれなかったのか」と指摘されるケースもあります。

本記事では、育休復帰後に行うべき2つの社会保険手続きについて、制度の概要から必要書類、注意点までを整理して解説します。

育休復帰後に行うべき2つの手続き

育児休業から復帰した従業員について、会社(または担当の社労士)が対応すべき手続きは主に次の2つです。

① 育児休業等終了時報酬月額変更届(いわゆる「育休終了時月変」)
② 養育期間標準報酬月額特例申出書(従前標準報酬月額のみなし措置)

この2つは名称が似ているため混同されがちですが、目的も適用のタイミングも異なります。それぞれ順番に見ていきましょう。

① 育児休業等終了時報酬月額変更届(育休終了時月変)

通常、標準報酬月額は「随時改定」によって見直されますが、随時改定には「固定的賃金の変動があった月から3か月間、いずれも支払基礎日数が17日以上」など一定の条件があり、育休復帰直後の従業員には適用されにくいという課題がありました。

そこで設けられたのが「育児休業等終了時改定」です。
3歳未満の子を養育しながら育休から復帰した被保険者について、次の条件を満たせば随時改定の要件に該当しなくても標準報酬月額を改定できます。

・ 復帰日(育休終了日の翌日)が属する月以後3か月間に受けた報酬の平均額が、従前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差があること

・ その3か月のうち、少なくとも1か月は支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上であること

・ 支払基礎日数が17日未満の月は平均の計算対象から除外すること(パート等の短時間就労者で3か月とも17日未満の場合は、15日以上17日未満の月の報酬月額の平均で算定)

通常の随時改定と比べ、「1等級差でも改定できる」「該当月が1か月だけでもよい」といった点で要件が緩和されているのが特徴です。

ただし、この届出を行うかどうかは被保険者本人の任意であり、会社が一方的に手続きすることはできません。
復帰後の報酬が下がった従業員本人からの申出を受けて、会社が「育児休業等終了時報酬月額変更届」を年金事務所(日本年金機構)へ提出する流れになります。

また、この届出に法令上の提出期限はありません。
ただし、日本年金機構では「速やかに提出すること」と案内されています。
手続きが遅れると、改定後の標準報酬月額の反映が遅れ、保険料の精算など事務負担が生じる可能性もあるため、対象となる場合は復帰後3か月分の報酬実績が確認でき次第、できるだけ早く申出を行うよう案内することをおすすめします。

★ポイント
改定後の標準報酬月額は、1月~6月に改定された場合はその年の8月まで、7月~12月に改定された場合は翌年の8月まで適用されます(別途随時改定等がない限り)。

② 養育期間標準報酬月額特例申出書(従前標準報酬月額のみなし措置)

①の手続きによって標準報酬月額が下がると、目先の社会保険料負担は軽くなりますが、そのままでは将来受け取る厚生年金の額にも影響してしまいます。

この年金額への影響を避けるために用意されているのが「養育期間標準報酬月額特例」です。
この特例は、3歳未満の子を養育している間に標準報酬月額が下がった場合でも、年金額の計算上は養育開始前の高い標準報酬月額を引き続き適用してもらえる、いわば「みなし措置」です。次世代育成支援の一環として設けられた制度で、育休復帰後に時短勤務等で報酬が下がった従業員が対象になります。

・ 対象期間:3歳未満の子の養育を開始した月から、子が3歳に達する日の翌日が属する月の前月まで

・ 従前の標準報酬月額:原則として養育開始月の前月の標準報酬月額。
ただし養育開始月の前月に厚生年金の被保険者でない場合は、その月からさかのぼって1年以内の直近の被保険者期間の標準報酬月額をみなし措置の対象とする(1年以内に被保険者期間がなければみなし措置は受けられない)

・ 性別を問わず利用可能で、時短勤務をしていなくても残業が減るなどして報酬が下がった場合は対象になる

この特例は、①の月額変更届とは別の書類として申請が必要です。年金額への影響を心配する従業員には、①だけでなく②もセットで案内し、申請漏れがないようにすることが望まれます。

また、この申出にも法令上の提出期限はありません。
養育期間標準報酬月額特例は、制度を知らずに申請していなかった場合でも、原則として申出を行った月の前月までの2年間であれば、さかのぼって適用を受けることができます。

一方で、2年を超える期間については原則として特例を受けることができません。
そのため、適用対象となる場合は、申請漏れを防ぐためにもできるだけ早めに申出を行うよう案内することをおすすめします。

提出に必要な添付書類

それぞれの手続きで必要となる主な添付書類は次のとおりです。

① 育児休業等終了時報酬月額変更届

原則として添付書類は不要です。
ただし、被保険者本人以外(会社や社労士)が電子申請を行う場合は、本人と代理人双方の電子署名が必要になります。

本人が作成した「事業主を代理とする旨の委任状」を添付すれば、申請者側の電子署名は省略可能です。
書面で提出する場合は、被保険者署名欄に本人が住所・氏名・電話番号を記載する必要があります。

② 養育期間標準報酬月額特例申出書

養育期間標準報酬月額特例申出書

公的年金の手続きに必要な戸籍謄本・住民票などは、市区町村窓口で「養育期間標準報酬月額特例申出書に添付して提出するため」と申請書に明記することで、手数料が免除されるケースがあります。従業員に案内する際は、この点も伝えてあげると親切です。

手続きを行う・行わないの判断について

育休復帰後は本人の働き方や部署での様子を見守ることになりますが、あわせて社会保険手続きの要否も定期的に確認しておく必要があります。

特に①の月額変更届は「復帰後3か月間の報酬実績」がそろって初めて該当・非該当を判断できるため、復帰から3~4か月目頃に確認のタイミングを設けておくと漏れを防ぎやすくなります。

一方で、次のようなケースでは手続き自体が不要になります。

・ 育休復帰後の報酬が育休前より高く、そもそも育児休業等終了時改定に該当しない場合
・ 子が3歳に達するまでの間、報酬が従前より高いことが確定している場合

このような場合は無理に届け出る必要はありませんが、判断に迷うときは従業員本人の意向も確認したうえで対応を進めるとよいでしょう。
手続きを行うかどうかはあくまで被保険者の任意であるため、会社側の一存で決めず、必ず本人の希望を確認することが大切です。

まとめ:月額変更届と養育期間特例

育休から復帰した従業員に対しては、①育児休業等終了時報酬月額変更届による社会保険料負担の見直しと、②養育期間標準報酬月額特例による将来の年金額の保護という、2つの手続きをセットで案内することが重要です。

①だけを行うと保険料負担は軽くなる一方、将来の年金額が下がってしまう可能性があるため、②の特例をあわせて申請することで、そのデメリットをカバーできます。

復帰後の従業員が安心して働き続けられるよう、担当者としては両制度の内容を正しく理解し、対象者への案内漏れがないよう体制を整えておきましょう。

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労務コンサル

【参照元】
参考:日本年金機構|育児休業等終了時報酬月額変更届の提出
参考:日本年金機構|養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

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