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インターバル採用とは?SHIROが導入した「入社時期を最大2年選べる」新卒採用の仕組みと今後の見通し

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インターバル採用

こんにちは!HRマネジメント編集部です。

採用の現場の視点で結論を先に述べると、インターバル採用は「入社時期を自由にする制度」ではなく、「内定から入社までの期間を、企業が設計する制度」です。

内定を保持したまま卒業後最大2年の範囲で入社時期を内定者が選べる仕組みで、化粧品ブランド「SHIRO」を展開する株式会社シロが2028年新卒採用から導入します。
本記事では、制度の中身と狙いに加え、採用実務の観点から見たメリット・リスク、そして今後の新卒採用の変化を解説します。

インターバル採用の制度概要

インターバル採用は、新卒一括採用の「卒業したらすぐ入社する」という慣習を見直し、内定者が入社までの過ごし方と入社時期を自ら決められるようにした制度です。
シロが2026年8月10日に公式サイトで発表しました。

インターバル採用の概要

猶予期間の過ごし方について、シロは「正解も不正解もない」としています。

なぜインターバル採用を導入するのか:3つの狙い

シロがインターバル採用を導入する狙いは、公式発表と社長の発言から、次の3つに整理できます。

1. 早期離職を減らす
福永社長は、離職する社員から「海外留学をしてみたかった」「資格試験に挑戦したかった」といった声を多く聞いたと説明しています。
やりたいことを抑えたまま働くとストレスが溜まり、離職につながりやすいため、先に経験する時間を設ける考えです。

2. 入社前に価値観を育てる時間をつくる
公式発表では、社会に出る前に「その人らしい思考や価値観を育てる時間」を持つことが大切だとしています。
さまざまな経験をしたうえで、それでもシロで働きたいと思ってもらえるなら、本人にも会社にも意味のある選択になるという考え方です。

3. 海外の大学を卒業する学生を受け入れる
卒業時期が日本と異なる海外大学の学生が、卒業後に無理なく入社できる環境を整えることも、グローバル化を進める施策の一つに挙げられています。

福永社長は「内定者が誰一人として制度を使わないのではないか」という不安も率直に語り、失敗しても5年は続ける覚悟だと述べています。
制度の効果を短期で判断せず、中長期で検証する姿勢がうかがえます。

運用面の工夫:人員計画・手続き・同期をどう守るか

入社時期が個人ごとに異なると、企業は手続き・研修・配属の調整を個別に行う必要があり、人員計画も立てにくくなります。
福永社長の取材発言によると、シロは次の3点で対応します。

• 人員計画
例年の新卒採用は30人だが、2027年度入社は100人を予定。
2028年度の入社者が仮にゼロになっても、前年度で人員を確保できる設計にしています。

• 入社手続き
必要書類の手続きは、入社月ごとにまとめて実施。
人事部の負担は増えるものの、社内では前向きに受け止められているといいます。

• 「同期の絆」
2028年度以降は、入社した年度が同じであれば「同期」とみなします。
コロナ禍に入社した年次は結束が固く、離職者もいないといい、同期が集まる研修や食事会などの働きかけは今後も続ける方針です。

採用実務の目線で見ると、この制度の肝は「100人採用」という数字そのものより、前年度に厚く採って人員を確保し、採用コストと受け入れ負担を前倒しで引き受けている点にあります。
入社時期をずらせる自由は、会社側に計画上の余力と手続きの標準化があって初めて成立します。
理念だけで真似をすると、配属と研修の調整が破綻しやすい制度でもあります。

インターバル採用のメリットと課題

以下は、公式発表と社長の発言を踏まえ、採用実務の観点で整理したものです。

インターバル採用のメリットデメリット

採用の実務では、内定辞退は「防ぐ」対象とされがちです。
シロは辞退を防ぐのではなく、辞退も前提に置いたうえで「納得して入社する人が残る」設計を選びました。
辞退が起きても人員計画が崩れないよう、前年度の採用で吸収する構造と組み合わせている点が、単なる福利厚生的な施策との違いです。

データで見る新卒採用の現在地:離職は3割超、採用は早期化

インターバル採用が注目される背景には、新卒の早期離職が高止まりしている一方で、採用活動そのものは前倒しが続くという二つの動きがあります。

離職率・インターン

新卒の約3人に1人が3年以内に離職する状況が続く一方、採用活動は前倒しが進み、内定を早く出す競争が激しくなっています。

ただ、実務では「早く出した内定」が「長く活躍する入社」に直結するとは限りません。
採用コストをかけて確保した人材の定着こそが課題であり、インターバル採用は、そのミスマッチを入社前の時間で解消しようとする試みと位置づけられます。

今後の新卒採用はどうなる?3つの変化と見通し

ここからは、採用実務の観点からの私見です。
インターバル採用が一気に標準化するとは考えていません。
ただ、「入社時期は一律」という前提が揺らぎ始めたこと自体は、今後の採用戦略に影響すると見ています。

入社時期の柔軟性が、母集団形成の差別化要素になる

海外大学の卒業生や、留学・資格取得を希望する学生にとって、入社時期を選べることは強い訴求になります。
知名度や待遇で大手に劣る企業でも、制度設計で差別化できる余地が生まれます。
一方で、打ち出し方が重要です。
「自由に過ごしてよい」という魅力だけでなく、猶予期間後に自社で何を実現できるのかを、選考段階から語れるかが問われます。

採用の勝負どころが「内定後」に移る

猶予期間が長くなるほど、内定者との接点設計が採用力そのものになります。
一般に、内定から入社までの期間が長いほど連絡途絶や辞退のリスクは高まります。
シロのように「何をしているかは聞かない」と線を引くのか、定期的な情報提供で関係を保つのかは、制度とセットで決めておくべきです。
接点を持ちすぎれば自由が損なわれ、持たなすぎれば関係が切れます。
このさじ加減が、採用担当者の腕の見せどころです。

新卒・既卒・海外卒の採用が、一つの設計に統合されていく

新卒・既卒・第二新卒・海外大卒といった区分は、「いつ働き始めるか」という軸で見ると連続しています。
入社時期を個別に調整する前提が広がれば、区分ごとにチャネルや選考フローを分ける発想そのものが見直されるでしょう。

インターバル採用が広がりにくい理由:運用負担と受け入れ体制

シロが2027年度に採用人数を30人から100人へ増やして備えるように、人員計画・手続き・同期設計の負担は小さくありません。
小規模な企業ほど、全面導入より「一部職種での試行」「入社時期の選択肢を数パターンに絞る」といった段階的な導入が現実的です。
実務上は、段階的な導入が現実的です。

たとえば、入社時期の選択肢を「4月・7月・10月」のように数パターンに絞る、特定職種に限って試行する、といった形です。
2028年卒の採用活動はすでに進行しています。
制度を導入するかどうかとは別に、自社の内定者フォローと人員計画が学生の変化に耐えられるか、いまのうちに点検することをおすすめします。

入社時期の柔軟化を検討する企業が準備すべき5つのこと

自社で入社時期の柔軟化を検討するなら、制度の是非を議論する前に、少なくとも次の5点を確認してください。
採用実務で詰まりやすいのは、制度そのものより運用の整備です。
法的な扱いは就業規則や内定通知書の内容によって異なるため、導入前に弊社の労務コンサルなど専門家にも確認してください。

☐ 人員計画: 入社時期がずれても事業が回るよう、前年度の採用数や配置の余力を確認する
☐ 内定者との契約・規程: 内定の有効期間、辞退の手続き、猶予期間中の連絡ルールを文書で定める
☐ 入社手続きの集約: 入社月ごとにまとめて手続き・研修を実施できる運用フローを作る
☐ 内定者フォロー: 接点の頻度と内容(情報提供、任意のイベントなど)を決め、「干渉しすぎない」線引きも明確にする
☐ 同期・育成の設計: 入社時期が異なる社員同士のつながりを保つ研修・交流の場を用意する

採用環境の変化に備えるなら、採用代行(RPO)の活用も選択肢に

採用の早期化、入社時期の多様化、内定者フォローの長期化。
採用担当者に求められる業務は年々増え、同時に高度化しています。
限られた人員で、母集団形成から内定者フォローまでを一貫して回すのは容易ではありません。
こうした局面では、採用代行(RPO)で設計と運用の一部を外部の専門チームに任せることが、現実的な打ち手になります。

採用代行サービス(RPO)という選択肢

採用代行サービスは、採用活動の一部または全体を外部の専門チームに任せる仕組みです。
突発的な欠員補充でも、必要な範囲だけを切り出して依頼できるのが特長です。

採用代行に任せられる業務

「入社時期を柔軟にしたいが、運用の負担が不安」「内定者との関係を長期で保つ仕組みがない」。
こうした相談は、採用プロセスを切り出して外注することで解消しやすくなります。
特に内定者フォローは属人化しやすく、担当者の異動や退職で途切れがちな領域です。
仕組みとして外部に持つ価値があります。

インターバル採用に関するよくある質問(FAQ)

  • A

    内定を保持したまま、卒業後最大2年間の範囲で入社時期を内定者自身が選べる新卒採用制度です。株式会社シロが2028年新卒採用から導入します。

  • A

    留学、ワーキングホリデー、旅、アルバイト、趣味、家族との時間など、過ごし方は自由です。何もせずゆっくり過ごすことも認められています。

  • A

    シロでは、2028年度以降、入社した年度が同じであれば同期とみなす方針です。同期が集まる研修や食事会なども継続する予定です。

まとめ

インターバル採用は、「卒業したらすぐ入社する」という新卒採用の前提を問い直し、入社までの期間を会社が設計する制度です。
シロは、早期離職の抑制、入社前の経験による価値観の形成、海外大学卒業生の受け入れを狙いに、2028年新卒採用から導入します。

採用の観点で最も重要なのは、制度を真似ることではなく、「内定から入社まで」と「入社時期」を自社の採用戦略の中でどう位置づけるかを決めることです。
入社時期の柔軟化、内定後の関係維持、採用ターゲットの多様化という流れは、今後の新卒採用で無視できない論点になります。
自社の体制が変化に耐えられるか、早めに点検しておきましょう。

採用の悩み私たちが解決します

【参照元】
株式会社シロ|新卒一括採用の “当たり前” を見つめ直す「インターバル採用」を導入
Yahoo!ニュース|「内定しても2年間は入社しなくてOK」…異例の「インターバル採用」を考案した化粧品会社社長の”目的“
nippon.com|大卒3年離職率、33.8%:4年ぶりに低下―厚生労働省調査
nippon.com|新卒就職者の3年以内離職率、大卒34.9%: 16年ぶりの高水準
学情|28卒向けインターンシップ等の広報・開催時期「前倒し」が過半数。

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