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生成AI普及で書類選考が形骸化?「面接官ガチャ」と「ES没個性化」に人事が向き合うべき本質と選考再構築策

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こんにちは!HRマネジメント編集部です。

新卒採用において、SNSや学生間の口コミで当たり前のように語られるようになった「面接官ガチャ」というワード。
日々現場で面接官を務める社員や人事担当者の方々の中には、思わず苦笑いしつつも冷や汗をかくような思いをされたことがあるかもしれません。

一方、採用実務の現場では、生成AIによって作成された非常に整った文章のエントリーシート(ES)が大量に届き、「どれを読んでも同じような内容で個性が全く見えてこない」「書類選考でスクリーニングする役割が崩壊している」といった悲鳴に近い課題感が噴出しています。

本記事では、最新の調査データから学生の意識変化を読み解きつつ、選考AI化が進んだ未来に潜むリスクと、これからの時代に人事・面接官が目指すべき「対面選考の価値」について徹底解説します。

調査データから紐解く:現代の就活生が抱く「2つの選考不安」

レバレジーズ株式会社が運営するAI人事プラットフォーム「NALYSYS」が発表した『AI面接に関する意識調査』(27卒〜29卒対象、2026年5月発表)によると、現代の新卒就活生の64.6%が日常的に生成AIを活用しており、書類選考(ES作成等)において利用経験がある学生は44.5%、今後の利用意向を含めると82.6%に上ります。

AIツールが就活のインフラとして完全に定着した一方で、学生側は「人間による対人面接」と「AIが関与する書類選考」の双方に対して強い不満と不安を抱いている実態が明らかになりました。

学生が直面している「2つの選考不安」

AI面接①

学生のリアルな胸の内を分析すると、「評価者の感情や相性(面接官ガチャ)で理不尽に落とされたくはないが、だからといって生成AIで作った綺麗で無難なESばかりになると自分の個性が消え、結局は学歴などの表面的な属性で機械的に落とされてしまうのではないか」という、深い板挟みのジレンマに直面していることが分かります。

「AI面接官」は選考の救世主となるのか?

評価のブレや主観を排除し、選考の公平性を担保するテクノロジーとして注目を集めるのが「AI面接」です。
今回の調査でもAI面接の認知度は8割を超えており、約3人に1人(34.7%)の学生がポジティブ(好意的)な印象を持っています(ネガティブは11.6%にとどまる)。

AI面接を歓迎する学生の主な理由

・「相手が人間ではないため、過度に緊張せずに話せる(51.8%)」
・「威圧感がなく『圧迫面接』になるリスクがない(48.2%)」
・「面接官の相性(面接官ガチャ)に左右されず公平に評価される(37.7%)」

人間の面接官に対して「横柄な態度を取られた」「意図を汲み取ってもらえなかった」という心理的トラウマを持つ学生にとって、AI面接官は「平等で客観的な機会を提供してくれる存在」として映っています。

一方で残る「熱意と人柄」の壁

しかし、AI面接に不安を感じている学生の意見を見ると、「自分の熱意や人柄が正確に伝わらなそう(47.4%)」「相槌やリアクションがなく手応えが分からない(44.7%)」「評価基準がブラックボックスで不透明(42.1%)」といった点が上位を占めています。

ここで一つの疑問が生じます。仮にテクノロジーが進化し、表情や声のトーン、言葉の行間から「人柄や熱意まで高度に判定するAI面接官」が登場したと仮定して、学生は本当に納得・満足するのでしょうか。
画面の向こう側のアルゴリズムに「あなたの熱意はスコア62点なので不採用です」と告げられたとき、学生が納得してその企業を諦められるかといえば、決してそうではないはずです。

【独自考察】選考プロセスのAI化が進んだ未来に潜む「2つの懸念」

選考の自動化やAI活用は、採用コストの削減や評価の平準化において大きなメリットをもたらします。
しかし、人事・採用戦略の長期的視点に立ったとき、そこには見過ごせない深刻な副作用や構造的リスクが存在します。

① 学生の「伝える・表現する力」が著しく弱体化するリスク

ESの文章作成をAIに任せ、面接回答の想定問答もAIで最適化することが当たり前になると、学生自身が「自分の経験や価値観を自分の言葉に変換し、他者に届くように思考錯誤して表現するプロセス」を経験しないまま社会に出てくることになります。

相手の表情を読み取りながら言葉を選び、時に葛藤しながらも自分の情熱を伝えるという「生の対人コミュニケーション能力」を磨く機会が欠落した場合、入社後の社内調整、顧客との信頼構築、あるいはプレゼンテーションの場面で、著しいコミュニケーション不足や表現力の伸び悩みに直面する可能性が高まります。

② 選考のスコアゲーム化と「過酷なお祈り就活」の深刻化

仮に企業の初期〜中盤選考の多くがAIによる数値評価に置き換わった場合、選考プロセスは完全な「スコアメイキング・ゲーム」へと変貌します。
学生側は「AI選考で高得点を稼げるガクチカ(学生時代に力に入れたこと)」の攻略法を探し始め、特定の資格取得や数値実績の獲得に殺到するでしょう。

【懸念される構造変化】

「ガクチカ=高スコアを稼ぎやすい活動(特定の定量成果など)」として最適化される未来では、目立った実績や学歴を持たない大多数の学生にとって、定量スコアの段階で機械的にお祈り(不採用通知)され続ける過酷な地獄の就活が繰り広げられる恐れがあります。

定型的なスコアでは測れない「人物の深み」「泥臭い成長意欲」「自社カルチャーへの秘めた適合度」といった原石のようなポテンシャルが、AIの一次スクリーニングによって早期に削ぎ落とされてしまう危険性があるのです。

これからの時代に人事が取るべき選考プロセス刷新策

テクノロジーの普及に伴い選考環境が激変する中で、人事・採用担当者が目指すべきは「全自動化」でも「旧態依然とした感性頼みの面接」でもありません。AIと人間がそれぞれの強みを活かした役割分担(ハイブリッド構造)を確立することです。

①【AI・構造化】初期選考での客観性と納得感の担保

応募数が膨大になる初期選考(一次スクリーニング)においては、AI面接や構造化面接(あらかじめ設定した統一基準と質問項目に基づく面接)を積極的に導入します。
これにより、「面接官の気分や偏見で合否が決まる(面接官ガチャ)」という不満を抑制し、評価の統一性と客観的根拠を提示します。

② 【人間・対面】中盤〜最終選考における「対面価値」の最大化

初期選考を自動化・標準化したことで生み出した時間とリソースを、中盤から最終選考における「対面面接」へ集中投下します。

単なる過去実績の確認や定型的な質疑応答は初期段階で終わらせ、対面面接では「AIでは可視化できない人間味」「言葉の端々に宿る情熱」「失敗から立ち直った葛藤のプロセス」「自社カルチャーとの深い親和性」をじっくりと対話を通じて掘り下げます。

まとめ:無骨であっても「対面面接スキル」を研ぎ澄ます時代の到来

生成AIによってテキストや数値が平準化し、世の中の評価システムが効率化・定量化されればされるほど、「生の対面で人と向き合い、相手の本質を見抜いて心を動かすことのできる面接官」の価値は希少かつ非常に高いものになっていきます。

学生の不安に耳を傾け、「自分はアタリ・ハズレどちらだろうか」と自問自答すること自体が、誠実な採用活動の第一歩です。評価のブレを減らす客観的な仕組みを取り入れつつも、最後は人が直接向き合い、一人ひとりの可能性や想いを丁寧に受け止める。

ちょっと無骨で泥臭く見えるかもしれませんが、そうした「人間による対面面接スキル」を日頃から愚直に磨き続けることこそが、これからのAI全盛時代において、優秀でカルチャーにマッチした人材を惹きつける最大の差別化戦略となるのではないでしょうか。

 

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