こんにちは!HRマネジメント編集部です。
2025年現在、企業の外国人採用は大きく拡大しています。
高度専門職、IT人材、特定技能、留学生の正社員化など、採用チャネルは多様化。
その一方で、現場の人事担当者から最も多い相談がこれです。
・「N2ってどれくらい話せるの?」
・「N3の人は、事務職でも大丈夫?」
・「N1とN2の違いは何?」
つまり、JLPT(日本語能力試験)のレベル基準が曖昧なまま採用が進んでいるケースが非常に多いのです。
結果として、外国人採用では以下のミスマッチが起こりがちです。
・業務説明が伝わらず教育コストが増大
・顧客対応が想定より難しかった
・文書作成・読解で時間がかかりすぎる
・日本語力ギャップがストレスとなり早期離職につながる
こうした問題の多くは、「職務内容と日本語レベルを正しく紐づけていない」ことで起こります。
本記事では、N1〜N3のレベルを“採用実務で使える基準”として解説します。
JLPT(N1〜N3)の違いを「採用目線」で分かりやすく解説
N1:高度なビジネスコミュニケーションが可能(ビジネス上級)
特徴
・抽象的・複雑な業務説明もスムーズに理解
・社内文書(規程・契約書・会議資料)の読解も問題なし
・社内外のメールを違和感なく作成
・顧客折衝・社内調整も日本人と同等レベルで対応可能
想定職種
・営業/人事/総務/企画
・管理職候補
・プロジェクトマネジメント
採用のポイント
即戦力性が高く、業務説明の手間が少ない。
「資料を多く扱う」「社内調整が多い」職種ではN1推奨。
N2:業務上のコミュニケーションは問題ない(ビジネス中級)
特徴
・日常業務のコミュニケーションは十分
・マニュアルや定型資料の理解は可能
・専門的な文書や難しい漢字は調べながら対応
・抽象的・曖昧な指示は理解しにくいことも
想定職種
・一般事務/バックオフィス
・ITエンジニア
・製造/物流/飲食
・アシスタント職
採用のポイント
「丁寧な説明」「確認しながら進める文化」がある企業と相性が良い。
N3:日常会話は可能だが、ビジネスでは補助必須(ビジネス初級)
特徴
・シンプルで具体的な指示は理解可能
・マニュアルは読み込めば理解できる
・抽象的・ニュアンス重視の指示は苦手
・文書作成・電話対応・顧客対応はハードルが高い
想定職種
・製造・物流など現場オペレーション
・飲食店のキッチンなど、対話負荷が低い業務
・シンプルなルーチン作業
採用のポイント
育成前提で採用する企業に向いている。
「教育に時間を割けるか」が成功の鍵。
「どの職種にどのレベルを求めるべき?」職種別レベル表

この表に当てはめて、まずは 自社の業務が“抽象的か具体的か” を確認すると基準が作りやすくなります。
面接でチェックすべき「本当の日本語力」5つ
JLPTのレベルはあくまで“紙の試験”。現場で必要な日本語とは少し違います。
実務で見るべきポイントは以下の5つ。
① 会話速度(リアルタイムでの理解)
会議のスピード感にどこまでついてこられるか。
② 聴解力(口頭説明の理解)
特に物流・製造では、聴解力の差が安全リスクに直結。
③ 読解力(社内文章の処理能力)
規程・議事録・手順書などを読めるかどうか。
④ 文章作成力(メール・報告書)
日本語の文書作成は外国人にとって高難度。
⑤ 専門用語の理解度
IT、人事、経理などは“用語ハードル”が大きい。
JLPTだけに頼らず、「業務の抽象度」で基準を決めるのが正解
採用で最も大切なのは、“自社の仕事内容に、どのレベルの日本語が必要なのか”を言語化すること。
▼ 抽象度が高い業務
→ 報連相・調整・資料作成・判断が多い
→ N1必須
▼ 具体的な業務
→ 手順が決まっている、指示が明確
→ N2で十分/N3でも可能
ここを整理しておくことで、外国人採用のミスマッチは大幅に減らせます。
まとめ:N1〜N3の違いを正しく理解し、自社の採用基準を明確にしよう
✔ N1は即戦力で抽象的業務に対応
✔ N2は多くの職種で活躍できるが説明精度が必要
✔ N3は育成前提で、具体指示の業務に向く
そして何より重要なのは、
“Nレベルだけでは実務の日本語力は測れない”という前提で採用を行うこと。
会話・読解・専門用語など総合的に評価することで、外国人材が“確実に戦力化する採用”が実現できます。
HRマネジメント では、
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