こんにちは!HRマネジメント編集部です。
Z世代(1990年代後半〜2010年前後生まれ)が社会人の中心層へと成長し、採用現場では「価値観のギャップ」や「企業の制度対応力」が問われる時代に入りました。一方で、2025年は育児休業制度や労働条件明示など、働き方に直結する法改正が相次いで施行された年でもあります。
これらの変化は、対応を誤れば「採用競争力の低下」や「早期離職リスク」につながる一方で、企業ブランドや採用力に直結するテーマです。本記事では、2025年の主要法改正と、当社が実施した新卒184名アンケート調査をもとに、「Z世代に選ばれる企業」が今とるべきアクションを整理します。
Z世代の採用環境は“ルール”も“価値観”も変化している
Z世代は、デジタルネイティブでありながらも、安定と成長の両立を求める傾向が強い世代です。
就活ナビサイトやSNS上の情報収集が主流になり、企業の「言葉」よりも「行動」を見ています。
一方、2025年は法制度のアップデートが続く年でした。採用広報や雇用契約のあり方も見直しを迫られています。
つまり、“Z世代の価値観”と“法改正による制度変化”の両方を理解しているかどうかが、今後の採用成果を左右します。
離職の要因のひとつは「採用段階でのミスマッチ」
早期離職には複数の要因がありますが、その中でも 面接段階でのミスマッチ が大きな割合を占めます。
特に現場でよく見られるのはこんなケースです。
・面接官によって質問や評価基準がバラバラ
・同じ候補者でも面接官によって真逆の評価
・面接評価が印象や感覚に依存
こうした評価の属人化は、誤った採用判断を招きます。
結果として、本来マッチする人材を逃したり、逆にすぐ辞めてしまう人を採用してしまうリスクが高まります。
【2025年版】の押さえておくべき法改正3選
① 出生時育児休業制度の拡充
2025年4月改正により、男性の育休取得率を一層高めるための取り組みが強化されました。
企業には取得率の公表義務や職場環境の整備が求められます。
Z世代の新卒の多くは、「男女平等」「家庭との両立」「人生設計」を早期から意識しています。
そのため、「男性も育休が取りやすい」「誰もがキャリアを中断せず働ける」企業文化は、採用時点から評価対象になります。
育休制度の“整備”よりも“使われている実態”を発信することが信頼につながります。
② 労働条件明示の義務強化(職務・勤務地の明確化)
改正労働基準法施行規則により、求人票や内定通知時に「勤務地」「職務内容」「異動・転勤の範囲」を明確に示すことが義務化されました。
求人票・オファー段階での説明不足は「虚偽表示」と見なされる可能性があり、炎上リスクやSNSでの企業イメージ毀損にも直結します。
一方、条件を丁寧に明示する企業は“誠実さ”として評価され、エントリー率の向上にもつながります。
「転勤の可能性はあるが、リモートワークの仕組みで柔軟に対応できる」「職務範囲は決まっているが、キャリア相談制度で変更可能」といった説明ができるかどうかが、信頼を左右します。
③ 人材育成方針・リスキリング支援の明文化
「育てる企業かどうか」が、Z世代の志望動機の中心に。2025年度より、企業にはリスキリング・教育投資の推進が求められ、国も助成金・公表制度を拡充しています。
Z世代の特徴として、「即戦力」よりも「成長実感」「自己理解の深化」を重視する傾向があり、“どんな学びの機会があるか”を採用段階で伝えることが重要です。
アンケートから見えた“Z世代のリアルな価値観”
当社が実施した、2022~2025年卒の営業職新入社員184名へのアンケートでは、「チャレンジ」や「社会的地位」よりも、「ワークライフバランス」や「楽しさ」などを重視する傾向が表れました。
なお、アンケートでは以下の7項目について、重視する順に順位をつけてもらいました。
ワークライフバランス/達成感/安定/チャレンジ/収入/社会的地位/楽しさ

ホワイトペーパー『Z世代採用白書2025』
・新卒184名アンケート全結果
・採用への示唆
・採用広報改善チェックリスト
採用広報・面接で活かせる3つの実践ポイント
① 「制度」ではなく「意図」を語る
Z世代は“会社が何をしているか”より、“なぜそれをしているか”を聞きたい世代です。面接で「リモート制度があります」ではなく、「社員の主体性を尊重したいから導入しています」と説明するだけで印象が変わり、“なぜ導入したのか”という意図・背景を伝えることで差別化できます。
② 現場社員が“制度を使っている姿”を見せる
制度説明だけでは刺さらない時代。実際に育休を取った男性社員や、キャリアチェンジした若手の声を採用ページやSNSで発信することで、リアルな共感が生まれます。
③ 「アップデート中の採用」を見せる
Z世代は“完璧な制度”よりも、“変化に対応している企業”に共感します。「法改正を受けて社内制度を見直し中です」と正直に伝えることで、“共に成長できる企業”と感じてもらえるケースも多いです。
よくある質問(FAQ)
-
A
制度の紹介だけでなく、「どんな社員が使っているか」「導入後に変わったこと」を具体的に示すのがポイントです。
-
A
もちろんです。Z世代は企業規模よりも「価値観」「働きやすさ」で企業を選ぶ傾向があり、制度の“姿勢”が応募率に直結します。
-
A
面接よりも前、求人票や採用サイトの段階で“透明性ある情報開示”をする方が効果的です。
まとめ:Z世代採用は「制度」より「信頼設計」
昨今の採用現場では、「法改正対応」と「若手の価値観対応」がセットで求められます。Z世代に選ばれる企業は、単に制度を整えるだけでなく、制度を通じて“どんな社会を目指しているか”を語れる企業です。
制度・文化・育成の3軸を一貫して発信することで、採用だけでなく定着・エンゲージメントにもつながります。
自社の採用情報や制度発信を見直すタイミングとして、2025年は絶好の機会です。
「Z世代に選ばれる企業像」をより具体的に知りたい方は、以下のホワイトペーパーで詳細データと改善ポイントをご確認ください。
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