こんにちは!HRマネジメント編集部です。
今回は 「就業規則の届出」 を分かりやすく整理しました。
「就業規則を作成したら、会社は何をしなければならないのか?」
「いつ・どこに・何を提出すればいいのか?」
そんな疑問をスッキリ解消できる内容になっています。
就業規則とは何か(法的効力)
就業規則は、労働条件や職場のルールを定めた会社の“憲法”のようなものです。
労働基準法第89条では、一定規模以上の会社に作成・届出を義務付けています。
また、就業規則は労働契約の内容として扱われるため、労使トラブル時の重要な根拠にもなります。
就業規則の作成義務・届出義務が発生する条件
■ いつ義務が発生するのか?
常時10人以上の労働者を使用する事業所では、就業規則の作成と届出が義務です(労基法89条)。
●「常時10人以上」のカウント方法
「常時10人以上」は、出勤人数ではなく、当該事業場に“雇用(所属)する”労働者が常態として10人以上かで判断します。
雇用形態に関係なく、パート・アルバイトも含む とされています。
- ・月1回勤務のパートでも人数に含む
- ・社員・契約社員・嘱託などもすべて含む
- ・出向者は「指揮命令を受ける側」でカウントするのが一般的
派遣労働者は雇用主が派遣元のため、就業規則の作成義務(労基法89条)の人数カウントは派遣元で整理されるのが一般的です(制度の文脈により取扱いが異なるため、迷う場合は所轄署確認が安全)。
● 事業所単位で判断する
10人の基準は 会社全体ではなく“事業所ごと” に判断します。
■ 従業員が10人未満の場合は?
義務はありませんが、以下の理由から 任意でも作成が強く推奨 されます。
- ・労使トラブル時の判断基準がなくなる
- ・労働条件の説明が属人的になり混乱が生じる
- ・助成金の申請で就業規則が必要なケースが多い
労働基準監督署へ届出する書類
届出に必要な書類は次の3点です。
- ①就業規則作成(変更)届(2部)
- ②意見書(2部)
- ③就業規則本体(2部)
提出方法は以下のいずれかです。
- ・労働基準監督署へ直接提出
- ・郵送(返信用封筒を同封)
- ・電子申請(e-Gov)
窓口・郵送は“控え返送が必要なら控え用を含めて”提出、電子申請は電子ファイルで提出します。
2026年現在、就業規則の届出は電子申請(e-Gov)を利用する企業が増えており、労働基準監督署でも電子申請を推奨する流れが強まっています。
本社一括届出の利用について
通常は事業所ごとに届出が必要ですが、
本社と各事業所の就業規則が同一内容の場合、本社でまとめて届出できます。
厚生労働省「就業規則の作成及び届出に関するQ&A」でも要件が示されています。
※注意点
・意見書は事業所ごとに必要
・書類の部数や手順が通常と異なる
就業規則の作成・変更と意見書
就業規則を作成・変更する際は、
労働組合または過半数代表者の意見書 を添付する必要があります(労基法90条)。
● 過半数代表者の選出方法
行政通達では「民主的な手続き」が求められています。
- ・挙手
- ・投票
- ・話し合い
- ・持ち回り決議
などが該当します。
※管理監督者は代表者になれません。
従業員の同意は必要か?(不利益変更の注意点)
就業規則の変更に 従業員全員の同意は不要 です。
意見を聞けば足り、反対意見があっても届出は可能です。
ただし、
従業員に不利益な変更は「合理性」がなければ無効 と判断される可能性があります。
代表的な最高裁判例でも、
「不利益変更は、内容の必要性・代替措置の有無・影響の程度などを総合的に判断する」
とされています。
賃金引下げや手当廃止などは特に慎重な検討が必要です。
就業規則の周知義務(開示方法)
届出後は、従業員に周知しなければ効力が発生しません(労基法106条)。
周知方法は次のいずれかです。
- ・作業場の見やすい場所に掲示・備付け
- ・書面を交付
- ・PC・社内ポータル等で閲覧可能にする
周知した事実を残すため、
掲示写真の保存・配布記録の保管 なども実務上有効です。
実務でよくあるケース
実際にサポートした企業では、従業員数が増えてから慌てて就業規則を整備し、届出や周知に時間がかかってしまったケースがありました。
事業拡大や採用強化を予定している企業ほど、早めの整備がスムーズな運用につながります。
まとめ
-
- ・常時10人以上の事業所は就業規則の作成・届出が義務
- ・パート・アルバイトも人数に含む
- ・届出には「就業規則」「意見書」「届出書」が必要
- ・本社一括届出も条件次第で可能
- ・不利益変更は合理性が必要
- ・届出後は周知しなければ効力が発生しない
就業規則は会社運営の基盤です。
作成・変更の際は、法令根拠を押さえつつ、実務的に正確な手順で進めていきましょう。
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