こんにちは!HRマネジメント編集部です。
シリーズ【採用力ってぶっちゃけ何?】第4弾は「コーポレートガバナンス」をテーマにお届けします。
「ガバナンス」と聞くと、大企業や投資家向けの堅いテーマをイメージしがちです。
しかし実は、ガバナンスの有無は企業のブランドイメージや社員定着率にも直結します。
今回は「コーポレートガバナンスの事例」を紹介しながら、
信頼を守ることがなぜ採用ブランディングにつながるのかを解説します。
コーポレートガバナンスはなぜ必要か
コーポレートガバナンスとは企業を健全に運営する仕組みのこと。
投資家にとっては経営の透明性を判断する指標ですが、
求職者にとっても「安心して働ける会社かどうか」を見極める重要な要素です。
SNS炎上やハラスメント対応の不備など、ガバナンスの弱さは一瞬で企業のブランドイメージを低下させます。
コーポレートガバナンスは投資家対策だけでなく、採用ブランディングの基盤です。
コーポレートガバナンス不祥事の事例
事例①:品質データ改ざん
内部統制が機能せず不正が常態化。メディア報道後は新卒応募が激減し、採用活動に大きな影響。
事例②:ハラスメント問題の放置
相談窓口は存在したが実態は機能せず、内部告発が炎上。結果として人材流出が加速。
事例③:長時間労働の是正不足
「働き方改革」を掲げながら実態が伴わず、SNSで「ブラック認定」。応募数が前年の半分以下に低下。
ガバナンスの崩壊は、顧客だけでなく「人材流入」を止める結果を招きます。
実際にこうした事例は新聞・厚労省白書などでも取り上げられており、採用力に影響を与えたと考えられます。
取り組み企業に学ぶ!コーポレートガバナンスの事例
①味の素株式会社
味の素株式会社では「ASV経営」の理念のもと、以下の取り組みを進めています。
・取締役会を中心に、社外取締役を含む多様な視点で重要経営事項を意思決定。
・定期的なIR活動や株主総会を通じ、透明性の高い情報開示と株主との対話を実施。
・指名、報酬、監査委員会などで経営陣の選任や評価、内部統制、リスク管理を強化。
・ESG(環境・社会・ガバナンス)やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進により、持続可能な成長とダイバーシティの実現に努めている。
これらの取り組みを通じ、味の素株式会社は、社会課題の解決とステークホルダーとの連携を基盤とした持続可能な成長を実現するため、ガバナンス体制の強化に努めています。
②みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループでは、基本理念・パーパス・バリューから成る『〈みずほ〉の企業理念』に基づき、グループ全体での戦略推進と企業価値の向上を目指しています。
・みずほとしての経営基本方針や戦略は、持株会社であるみずほフィナンシャルグループが企画・管理し、各社と連携して実行。
・株主付託の取締役会を中心に、透明で公正な企業統治システムを構築。
・監督と経営の分離、迅速な意思決定、独立性の高い社外取締役を中心とした委員会(指名・報酬・監査委員会)の活用で、ガバナンスの実効性を確保。
・国内法令遵守に加え、グローバル基準に沿った運営・慣行を積極的に採用し、持続的・安定的な成長を実現する仕組みを整備。
これらの取り組みを通し、みずほフィナンシャルグループは、内外の経済・産業の発展や社会の繁栄に貢献しながら、社会的使命を全うしています。
参照:https://www.mizuho-fg.co.jp/company/governance/governance/thinking.html#kihon
コーポレートガバナンスと採用ブランディングの関係
成功企業の事例から見えてくるのは、次の4つの共通点です。
・労働時間や休暇の管理を“見える化”している
・ハラスメントや不祥事への対応を明確にしている
・評価・昇進のプロセスが透明
・社員の声を経営に反映する仕組みを持っている
制度があるかどうかよりも 「実態と透明性」 が採用ブランディングを左右します。
まずは自社の一体感、チェックしてみませんか?
多くの企業では、採用と社員育成を別物として扱っています。
しかし、優れた企業はキャリア形成まで含めて採用戦略を設計しています。
これは、求職者にとっても大きな魅力になります。
面接で入社後の成長イメージを明確に伝えられれば、入社意欲は格段に高まるといえるでしょう。
まずは自社のキャリア形成能力、チェックしてみませんか?
HRマネジメントでは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)・情報共有・経営方針・社会貢献・コーポレートガバナンスといった
5つの視点から、自社の見えない魅力と課題を可視化する無料の採用力診断を提供しています。
▼診断でできること
・社風を分析し、「自社に合う人材像」を明確化
・求職者の視点で求人票を見直し、魅力的で分かりやすい内容にブラッシュアップ
・離職やミスマッチの原因を徹底的に洗い出し、その結果をもとに改善策を実施
まとめ
コーポレートガバナンスは投資家だけのテーマではなく、
人が集まり、人が辞めない会社をつくるための必須条件です。
炎上や不祥事を防ぎ、信頼を積み重ねることが、採用ブランディングにつながります。
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